岩国市の艦載機移転住民説明会はたった4会場 5月21・23日の二日だけ


住民説明会 21・23日開催 艦載機移転 岩国市 4会場 来月にも是非判断

岩国市の米海兵隊岩国基地へ7月以降に空母艦載機61機が移転する計画を巡り、市は9日、国に要望している安心安全対策や地域振興策に関する住民説明会を21、23日に市内4会場で開くと発表した。市は住民の意見を踏まえ、6月にも移転容認の是非を判断する。

安心安全対策は日米地位協定の見直しなど43項目で、地域振興策は幹線道路網の整備などを挙げている。市はこのほか、米軍再編交付金の増額や小中学校の給食費無料化も求めている。

住民説明会は各会場とも2時間。福田良彦市長たちが要望に対する国の回答などを示し、来場者の質問に応じる。中国四国防衛局からのオブザーバー出席も予定している。

市は、国、県と安心安全対策を話し合う「岩国基地に関する協議会」を12日に開くことも発表。ここで43項目の進捗(しんちょく)状況が示され、終了後の記者会見で協議結果を公表する。(松本恭治)

住民説明会の開会時刻と会場は次の通り。

【21日】午前10時、ハーモニーみわ▽午後2時、周東パストラルホール▽6時、由宇文化会館【23日】午後7時、シンフォニア岩国

中国新聞(2017年5月10日朝刊掲載)

http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=71673

空母艦載機の厚木基地からの移転は、当初今年後半に開始すると国は説明してきましたが、1月米海軍が空母艦載機E-2Dホークアイ新型早期警戒機の前線配備を発表、2月2日5機が岩国基地に配備されました。

なし崩し的に先行配備されている状況に、市議7人でつくる「岩国市民の安心と安全な暮らしを守る議員連盟」(重岡邦昭共同代表)や市民団体は住民説明会の開催を要請してきました。

1月27日の市議会全員協議会で、移転計画を説明した防衛省側は、国による開催を「検討したい」としていましたが、2月22日の衆議院予算委員会で、稲田朋美防衛相は「これまでの地元の説明の経緯などを踏まえた結果、今回は住民説明会を開催しないとの結論に至った」と回答してきました。

その理由が、「移転計画の概要は1月に岩国市と岩国市議会に説明し、その内容はホームページで公開している」からだというのですが、市民に広く説明したとは全く言えません。

市や県は「普天間移設の見通しが立たないうちに艦載機の移転を切り離して進めることは認められない」との基本スタンスに変わりはないと繰り返します。

3月29日の市長記者会見で、7月の移転開始を受け6月議会で判断する見通しを述べました。

市長 整理させてもらいますけど、決して私が時期を求められたときに、6月議会で判断しますよというふうに明確には決めたものではありません。というのもただ早ければ7月に空母艦載機の移駐がはじまるという現時点での国の説明がありますから、となると逆算するとその前の6月議会では一つの判断を迫らせるんじゃなかろうかという、その過程をこれまで申し上げておりますので、今後また国の方から具体的なスケジュール間が更に詳しい説明があるかもしれませんが、そういった今の状況では7月というのが明確に出てますので、となると6月議会が一つの判断の時期の一つだろうということで想定をしておりますので、必ずも6月で判断をしなきゃいけないということもないと思うし、要は国とか米軍のスケジュールありきで、こちらが判断するものではないと、私としてはしっかりと目の前の課題をしっかり国と協議して多くの市民の方が納得いく成果が引き出せるかどうか、これに今全力を傾注していきたいと考えております。

福田市長「納得のいく成果」が更なる地域振興策であることは言うまでもありませんが、お金で安心・安全が買えるものでは決してありません。

4月28日の市長記者会見で、市による住民説明会を開催することを発表しました。

市長 はい、この前から議会等でも、お話をさせていただいておりますが、住民説明会の開催、空母艦載機移駐に係る住民説明会の開催につきましては、5月中旬頃を想定しております。開催する日程をですね、市内を、全市的にですね、複数会場、4会場ほどですね、考えております。現時点で、詳細についてはまだ調整しておりますので、ここで日時等についてはお知らせできませんが、ゴールデンウィーク明けくらいには、日時・場所等は、もうしっかりと固めてお知らせしていきたいというふうに思っています。また住民説明会の前にもですね、定期的にやっております、安心安全対策などを協議しております岩国基地に関する協議会、第12回目でありますが、こちらの方も開催する予定にしておりますので、こちらも日程が固まり次第、皆様方にお知らせしていきたいと、特に住民説明会については、多くの市民の方々に、広く、情報・日時等をお知らせして、ご参加もいただきたいと思っていますので、5月15日号の市報の方にもですね、その日程等も織り込みたいというふうに思っております。

住民説明会を5月21日・23日に開催する新聞報道があったのが、5月10日。

「多くの市民の方々に、広く、情報・日時等をお知らせ」する5月15日号の市報(全20ページ)での扱いがこれ!!

そして、住民説明会は市報から1週間もたたずに開催です。


統計いわくに2016年版によると岩国市の総人口は136.757人ですから、
住民説明会の対象になる住民は、それぞれの会場でみると・・・

ハーモニーみわ・周東パストラルホール 約31.000人

由宇文化会館 約9.000人

シンフォニア岩国 約96.000人

 

たった4会場だけを、しかも二日間に集中する開催方法って、

市長の言う「特に住民説明会については、多くの市民の方々に、広く、情報・日時等をお知らせして、ご参加もいただきたいと思っています」に反するのではないでしょうか?

記者の質問にも戸惑いが感じられます。

記者 その住民説明会の際なんですけども、今、国と協議している43項目の安心安全対策について、その進捗状況というか達成度についても公表される予定ですか。

市長 そうですね、43項目の安心安全対策とか、地域振興策、また議会の方からもいろいろ要望等もあがっておりますので、そういった様々な検討項目などについて、5月の中旬の住民説明会の段階で、お知らせできる内容については、客観的といいますか、そこで皆さん方にお示しといいますか、説明ができるかなあというふうに思っております。

記者 その4会場というのは、同じ日にやるということですか。別々の日ですか。

市長 4会場を、1日で複数回数やるかということですか。

記者 そうです。

市長 はい、それも含めて調整をさせていただいておりますので、ゴールデンウィーク明けにはある程度、皆さん方にもお示しをさせてもらいたいと思っております。

記者 4日間に分けるという意味じゃないんですか。

市長 そのへんも含めて。

記者 含めて?

市長 はい。

市が要望している安心・安全のための43項目の達成状況が、5月12日の岩国基地に関する協議会で発表されました。

記者 前にお伺いしたときには、住民説明会の前までに示してほしいという住民からの意向、要望がありましたけれども、その43項目の達成度などについては前に示すつもりはないのでしょうか。

市長 住民説明会の前に43項目の達成度を説明できないかということですか。

記者 そうです。それを基に、住民説明会を聞きたいというのが要望だったと思うんですけれど。

市長 ちょっと、その辺の、私がですね、記憶がですね、そのへんのちょっと定かなところがございませんが、これまで私は、住民説明会のときに、それも含めてお示しをさせてもらいますということは申し上げておりますので、事前にお知らせしてほしいということは私の方では把握しておりません。

記者 あの、高田部長の方にそういった要望をされて、市長宛にですね。

市長 ああ、なるほど、住民の団体の方からあったということですね。それにつきましては。

記者 そのように高田部長も答えていらっしゃるんですよ、事前に出したいというふうにですね。

市長 それ、団体の方にですか。

記者 そうです。ええっと、市議団ですね。

市長 市議団ですか。

政策審議官 ちょっと、事務的に答えますので。

基地政策担当部長 あの、一応ですね、先ほど市長の方から岩国基地に関する協議会、日程が決まり次第、皆様方にもお知らせするということを言ってます。通常、あの43項目の安心安全対策については、その中でですね、その場で公表するということにしておりますので、そうした時期に事前に公表したいというふうに考えております。

記者 協議会の話です?

基地政策担当部長 その協議会で、43項目を協議しますので、それが終わり次第公表はしたいと思っております。

記者 協議会の中で、協議して、それで。

基地政策担当部長 その後にお示ししたいと思います。事前に。

記者 その後に、住民説明会があるという意味ですね。

確かに、43項目の達成状況は市のホームページで公表し、ダウンロード出来るようにはなっています。

米軍岩国基地に係る安心・安全対策の達成状況 (43項目)

けれど、これで多くの市民が事前に検討するなんてことが出来るでしょうか?

なぜ、市報に掲載されないのでしょう?

これでは、住民説明会を行ったという既成事実を作るだけのもので、市の誠意を感じることはできません。