空母艦載機移駐に係る騒音予測コンター
1月20日、岸信夫外務副大臣と宮澤博行防衛大臣政務官が岩国を訪れ空母艦載機移駐についての説明を行い、空母艦載機移駐に係る航空機騒音予測コンターが示されました。
〇空母艦載機の移駐に伴う航空機騒音に関する説明
- 赤色のラインについては、空母艦載機の移駐後の航空機騒音予測コンターになるが、これは、昨年にご説明したF-35Bが配備された後の航空機騒音予測コンターに、現在の航空機の機種・機数を踏まえた空母艦載機の移駐を加えて作成している。
- 黒色のラインについては、平成18年当時に、滑走路が沖合移設される前の岩国飛行場に配備されていた航空機の機種・機数を踏まえて作成したものになる。
- 政府としては、今回作成した空母艦載機移駐後の航空機騒音予測コンターと平成18年当時の滑走路が沖合移設される前の航空機騒音予測コンターを比べても、滑走路の沖合移設等の措置により、総じて騒音の状況は改善されると予測している。
- 赤色のラインについては、前記のコンターと同様となるが、黒色のラインについては、平成18年当時に作成した空母艦載機移駐後の航空騒音予想コンターになる。
- 今回作成した空母艦載機移駐後の航空機騒音予測コンターは、平成18年当時に作成した空母艦載機移駐後の航空機騒音予測コンターと比べ、大きくなっている部分もあるが、現在の第一種区域と比べると、総じて縮小されると予測している。
- 平成18年当時に作成した空母艦載機移駐後の航空機騒音予測コンターと比べ、大きくなっている部分の要因については、平成18年当時と現時点においては、空母艦載機の機種・機数の変更、F-35Bへの機種更新、海上自衛隊の岩国残留など、様々な要因があるが、航空機騒音予測コンターの作成の要素の1つである「1日の標準飛行回数」を見ると、平成18年当時にお示しした推計と比べ、69回増の458回となるが、空母艦載機の機数増によるものは15回増であり、増要因の大半は海上自衛隊の岩国残留による56回増となっている。
- いずれにしても、岩国飛行場周辺の皆様が安心して安全に暮らせる環境を確保することは、きわめて重要であると認識しており、引き続き騒音状況の把握に努め、適切に対応していく考えである。
〇市長からの質問に対する回答・説明(騒音予測コンターについて)
- 平成18年当時に作成した空母艦載機移駐後の航空機騒音予測コンターにおいては、第一種区域の面積が1,600haであるところ、第一種区域の機銃となる75W以上の区域は、約500ヘクタールに縮小する。
- 今回作成した航空機騒音予測コンターにおいては、第一種区域の基準となる75W以上の区域は、約650haになるが、これは、岩国市由宇町、和木町、大竹市阿多田島などにおいて、一部増加したことが要因となる。
- 第一種区域の見直しについては、空母艦載機の移駐後、岩国飛行場の運用が安定し大、騒音度調査を実施し、適切に対応したいと考えている。
政府の説明は、なんとも回りくどいですが、要するに1ページのコンター図では、現在の騒音予測と平成18年当時の滑走路沖合移設前との比較で、岩国市の陸地部分の騒音が減少していると言いたいらしい。ただし、周防大島などは大幅に増加している。
2ページ目のコンター図は、現在の騒音予測と平成18年当時作成の滑走路沖合移設後の予測騒音との比較です。「現在の第一種区域と比べると、総じて縮小されると予測している。」って、どこが?
3ページの説明は移駐予定の空母艦載機が平成18年からあまり変更されていないということを言いたいようです。飛行回数も海自が残留したから回数が増えたとしています。
しかし、空母艦載機移駐は61機と見込まれていますから、現行の岩国基地配備航空機75機(基地と岩国 平成26年度版より)と合わせると130機以上!!それに海上自衛隊機36機(前出より)が加わり、しかも岩国錦帯橋空港の民間機がその隙間を縫うように運行されることになります。
この状態で「岩国飛行場周辺の皆様が安心して安全に暮らせる環境を確保する」事が出来るでしょうか?
そして忘れてはならないのが、岩国・大竹市周辺だけでなく広島や島根など航空機の訓練区域で繰り返されている騒音被害です。
騒音被害は、基地のある自治体だけではありません。飛行経路や訓練区域にあたる地域は騒音だけでなく墜落や異物落下の危険に常にさらされています。そして、訓練は沖縄だけでなく日本全国で行われています。
オール日本で基地監視し、連帯していくことが求められています。