E-2D 先進型ホークアイ 岩国基地に前方配備へ


2017年1月5日 米海軍報道発表により、横須賀-米海軍は最新の早期警戒機であるE-2D先進型ホークアイが、2017年2月に第5空母航空団の一員として、日本への前方展開海軍戦力に加わると発表しました。

米海軍報道発表20170105

これをうけ、1月20日 岸信夫外務副大臣、宮澤博行防衛大臣政務官が来岩し、空母艦載機の岩国飛行場への移駐についての説明がありました。平成29年1月20日報道資料

この中でE-2Dに関する説明を抜き出してみました。

〇空母艦載機の岩国への移駐に関する説明

  • E-2D(5機)は、2月に第5空母航空団の一員として加わり、岩国飛行場に飛来し、厚木飛行場に配備されているE-2CからE-2Dに部隊変更される。
  • E-2Dは、2,3ヶ月程度、岩国飛行場に前方展開し、配備前訓練を実施した後、一旦、空母ロナルド・レーガンに搭載されることになる。
  • 第5空母航空団の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐は、2017年後半に開始される予定ですが、早ければ2017年7月以降、空母ロナルド・レーガンが横須賀に寄港する時期になると考えている。

〇E-2Dの配備前訓練に関する説明

  • E-2Dの配備前訓練の補足説明であるが、2月初旬に岩国飛行場に飛来し、空母ロナルド・レーガンに搭載するために、短期間(2、3ヶ月程度)の配備前訓練を実施した後、一旦岩国を離れることになる。
  • 岩国飛行場におけるE-2Dの配備前訓練については、米側から、第5空母航空団、空母ロナルド・レーガンおよび海兵隊岩国航空基地と一定期間空域慣熟訓練、地上管制慣熟訓練等を実施する予定である旨説明を受けている。

〇市長からの質問に対する回答・説明(E-2Dの配備前訓練について)

  • 配備前訓練の目的と必要性について、米側からは、今回のE-2Dの部隊更新にあたって、岩国飛行場での所要の訓練を行うと説明を受けており、政府としては、アジア太平洋地域における安全保障環境が一層厳しさを増す中、抑止力を維持し、米空母や管制機の長期にわたる前方展開能力を確保することにより、日米安保条約の目的を達成するために必要な訓練であると考えている。
  • 配備前訓練を岩国飛行場で行う理由として、米側からは、E-2Dを支援する施設が岩国飛行場にしか存在しないためであるとの説明を受けている。
  • 配備前訓練における空母艦載機離着陸訓練(FCLP)ついては、米軍の運用の詳細に係る事項であり承知していないが、今後とも、米側に対し、空母艦載機離着陸訓練(FCLP)について、できる限り多く硫黄島で実施するように求めてまいる。
  • 今回のE-2Dの岩国飛行場への飛来については、E-2Cからの部隊更新により、空母ロナルド・レーガンに搭載するための短期間(2、3ヶ月程度)の配備前訓練を実施するものであり、当該訓練を実施した後、一旦岩国飛行場から離れる予定となっている。
  • 政府としては、E-2Dの配備前訓練の実施にあたり、これまでと同様、米側に対し、岩国日米協議会における確認事項を尊重するなど、騒音面や安全面に最大限配慮しつつ、地域住民に与える影響を最小限にとどめるとともに、当該訓練が米側の計画通りに実施されるよう、米側に働きかけてまいる考えである。

 

政府説明によると、E-2Dホークアイ新型早期警戒機の岩国基地配備は、厚木のE-2Cの後継機とするため岩国基地でまず2、3ヶ月飛行訓練をするためとのことです。つまりは、空母艦載機移駐の前倒し配備としか言えません。

しかも、空母艦載機移駐は2017年後半を予定といいながら、E-2Dは空母ロナルド・レーガンに搭載されるため、厚木の第5空母航空団の岩国基地移駐は、空母が横須賀に寄港する早ければ7月以降になるとも言っています。

E-2Dが岩国基地で慣熟訓練を行うということは、飛行回数が非常に多いと予想されます。 FCLP(空母艦載機離着陸訓練)も懸念されます。
政府は岩国日米協議会の確認事項を尊重するよう、騒音や安全に最大限配慮し、地域住民への影響を最小限にとどめるよう米側に働きかけると言っているけど、いったいどれだけ物が言えているのか実態とは大違いだものね。

E-2Dは自衛隊の次期早期警戒機として購入が決定してます。

ノースロップ・グラマン、空自向けE-2Dをフロリダで生産

ノースロップ・グラマンは、2016年1月5日、アメリカ海軍から航空自衛隊向けのE-2Dアドバンスドホークアイを生産するための契約変更を受け付けたと発表しました。

航空自衛隊は新しい空中早期警戒(AEW)指揮管制機として、2014年11月にE-2Dの採用を発表しました。これはアメリカ政府の有償海外軍事援助(FMS)での導入になるため、日本政府がアメリカ政府に発注し、アメリカ政府(海軍)がノースロップ・グラマンに発注するかたちとなります。

2億8,597万5,244ドルの契約変更により、航空自衛隊向けのE-2D初号機は、アメリカ海軍向けの機体と同じフロリダ州セントオーガスティンのエアクラフト・インテグレーション・センターで生産されます。

E-2Cはアメリカ海軍や航空自衛隊のほか台湾空軍やフランス海軍、エジプト空軍などが使用していますが、最新型のE-2Dの輸出は日本が初めてとなります。E-2Dはステルス機や巡航ミサイルに対応した新しいレーダーを搭載し、ネットワーク能力を向上させています。

2億8,597万5,244ドルは約324億9,718万6,818円です。(2月2日現在)

下の動画はE-2D製造元のノースロップ・グラマン社の日本向け宣伝動画です。

E-2D早期警戒機は、情報・監視・偵察能力を発揮するため、様々なシステムをセットで利用することが不可欠だということです。これらのシステムである、F35ステルス戦闘機、グローバルホーク無人航空機、ファイアースカウト(無人ヘリ)などいずれも自衛隊が導入を見込んでいるものです。

自衛隊が導入を予定している航空機はいずれも米軍が採用している航空機で、米軍と自衛隊の一体化の強化が進んでいます。

米軍運用のE-2Dを支援する施設が岩国基地にしか存在しないということに加え、今まで放置されていた祖生通信所の再利用がどのように強化されていくのかも注視していく必要があります。